マッチングアプリを安全に使うために|ロマンス詐欺・投資詐欺・勧誘の見分け方と相談先
マッチングアプリは、結婚した人の出会いのきっかけとして広く使われるようになった一方で、詐欺や勧誘の入り口にもなっています。特に40〜60代の被害が多いことが、警察庁の統計で分かっています。この記事では、警察庁と国民生活センターの資料をもとに、よくある手口、お金の話が出た時の対応、会う時の注意、困った時の相談先を整理します。
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- 警察庁の統計で見る、ロマンス詐欺の今
- 詐欺や勧誘によくある流れと、見分けるチェックポイント
- お金の話が出た時と、初めて会う時に気をつけること
- 困った時の相談先(#9110・188)
数字で見るロマンス詐欺の現状
警察庁の確定値によると、2025年に認知されたSNS型ロマンス詐欺は5,645件、被害額は546.4億円で、前年より件数は47.6%、被害額は36.3%増えました(警察庁, 2026)。
| 項目 | 数字(2025年) |
|---|---|
| 犯人と最初に接触した手段:マッチングアプリ | 32.7% |
| 同:Instagram | 22.8% |
| 同:Facebook | 18.6% |
| 被害者のうち40〜60代の割合 | 75.6% |
| 最初の接触がダイレクトメッセージだった割合 | 92.8% |
(出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」)
最初の接点としてはマッチングアプリの割合が最も高く、被害者の4人に3人が40〜60代です。暗号資産を送らせる手口も前年より177.0%増えています。また、2025年8月の単月の集計では、マッチングアプリで出会った相手によるロマンス詐欺のうち93.5%で、「将来のため」などを理由に投資話が持ちかけられていました(警察庁, 2025)。年代が上がるほど、貯蓄があると見られて狙われやすいことを、知識として持っておきましょう。
ロマンス投資詐欺によくある流れ
国民生活センターは、マッチングアプリをきっかけにした投資詐欺の典型的な流れを、次のように紹介しています(国民生活センター, 2022)。
- アプリでマッチングし、親しくなる
- 早い段階で、LINEなど別のアプリでのやり取りに誘われる
- 相手が投資でもうけていると話し、投資サイトやアプリを紹介される
- 少額を入れると、最初は利益が出ているように見える
- 高額の投資を勧められる
- 出金しようとすると、手数料や保証金などを請求される
- 連絡が取れなくなる
最初は恋愛の話をしていたのに、いつの間にかもうけ話にすり替わっているのが特徴です。国民生活センターは、この流れを「恋話(コイバナ)がいつの間にかもうけ話に」と表現して注意を呼びかけています(国民生活センター, 2021)。
見分けるためのチェックポイント
国民生活センターのチェックリストと、ペアーズが公開している「マッチングアプリ セーフティハンドブック」から、特に気をつけたい点をまとめました。当てはまるものが多いほど、警戒を強めましょう。
- マッチングしてすぐに「LINEで話さない?」とアプリの外へ誘う
- 自称外国人や海外在住で、日本語が不自然、または途中から言葉づかいが急に変わる
- モデルのように完璧な写真しか載せていない
- 暗号資産やFXなどの投資でもうけていると話す
- 「結婚資金を一緒に貯めよう」「二人の将来のため」とお金の話につなげる
- 会ったこともないのに「運命の人」「特別な存在」と強い愛情を示す
- 1日に何十通も熱心にメッセージを送ってくる
- 家族の病気など、同情を誘う身の上話や、急なトラブルの話をする
- 「安心してほしい」と身分証明書の画像を送ってきて、こちらの身分証も求める
ペアーズのハンドブックでは、9割以上の詐欺師が1週間以内にLINEやSNSのダイレクトメッセージへ誘導すると紹介されています(ペアーズ, 2024)。警察庁も、マッチングアプリで知り合った後、早い段階でLINEに誘われたら詐欺を疑うよう呼びかけています。アプリの外でのやり取りでは、運営会社の監視が届かないことも覚えておきましょう(国民生活センター 越境消費者センター)。
また、ビデオ通話で顔を見たから安心とは限らないです。警察庁は、翻訳アプリや生成AIを使えば誰でもなりすませると注意を呼びかけており、ペアーズのハンドブックもAIによるなりすましや偽の動画を見分けるのが難しくなっていると書いています。
恋愛を入り口にした勧誘にも注意
詐欺だけでなく、マルチ商法や情報商材、副業の勧誘を目的に登録している人もいます。ペアーズの「安心・安全のガイドライン」では、次のような相手には注意し、不安を感じたら連絡をやめてブロックや通報をするよう案内しています。
- 別のサイト・アプリ・SNSへ誘導してくる
- 本名・住所・勤務先・電話番号・カード番号・銀行口座などの詳しい個人情報を聞いてくる
- マルチ商法や情報商材などの勧誘、営業・宣伝をする
- モデルや芸能界へのスカウトをほのめかす
恋愛感情を利用して高額な商品を買わせる「デート商法」についても、国民生活センターが注意を呼びかけています。会うたびに特定の商品や店、セミナーの話が出る場合は、距離を置きましょう。
お金の話が出たら、まず手を止める
警察庁は、実際に会ったことのない人からお金の話が出たら注意するよう呼びかけています。理由がどれだけもっともらしくても、次の順番で対応しましょう。
- その場で返事をせず、お金を送らない・投資サイトに登録しない
- やり取りの画面を保存する(スクリーンショット)
- 家族や友人など、身近な人に話す
- アプリの運営会社に通報し、相手をブロックする
- 警察相談専用電話「#9110」または消費者ホットライン「188」に相談する
すでにお金を払ってしまった場合も、あきらめずにすぐ相談しましょう。国民生活センター越境消費者センターは、国内の銀行口座に振り込んだ場合、振り込め詐欺救済法に基づく手続きを取れる場合があると案内しています。ペアーズのハンドブックは、被害者をねらう悪質な弁護士や探偵事務所もあるため、各地の弁護士会の注意喚起も確かめるよう呼びかけています。
初めて会う時に気をつけること
ペアーズの公式ガイドラインには、相手と会う時の注意点がまとめられています。どのアプリを使う場合にも役立つ内容です。
- 信頼できると確信できるまで、会う約束をしない
- 誰と、いつ会い、いつ帰るかを、家族や友人に伝えておく
- 待ち合わせは人の多い公共の場所にし、自宅・個室・人のいない場所は避ける
- 移動は公共交通機関を使い、相手の車で二人きりにならない
- 判断力が鈍るほどお酒を飲まない。お酒を強く勧められたら切り上げる
- スマートフォンや財布は身につけておく
- 不安を感じたらすぐに立ち去り、危険を感じたら周りに助けを求める
男性は、相手が特定の店をかたくなに指定してくる場合にも注意が必要です(ペアーズ, 2024)。高額な料金を請求される店への誘導を防ぐため、withは2025年9月に、アプリ内で飲食店を予約できる仕組みを関東で始めています。
マッチングアプリは18歳未満の方は利用できません(出会い系サイト規制法)。
困った時の相談先
| 相談先 | 番号 | 相談できること |
|---|---|---|
| 警察相談専用電話 | #9110 | 詐欺の疑い、つきまといなど、緊急ではない警察への相談 |
| 消費者ホットライン | 188 | 投資・勧誘・契約のトラブル(近くの消費生活センターにつながる) |
| 警察の性犯罪被害相談電話 | #8103 | 性被害の相談 |
| DV相談ナビ | #8008 | 交際相手からの暴力の相談 |
| 緊急の時 | 110 | 今まさに危険がある時 |
あわせて、使っているアプリのカスタマーサポートや違反報告の機能も使いましょう。運営会社が相手のアカウントを調べ、ほかの利用者の被害を防ぐことにつながります。
「自分はだまされない」と思っている人ほど注意が必要です。ペアーズのハンドブックでは、ロマンス詐欺の被害者支援に取り組む団体の話として、被害に遭った人の約9割が「自分はだまされないと思っていた」と語っていると紹介しています。少しでもおかしいと感じたら、一人で抱え込まずに相談しましょう。
アプリを選ぶ段階での安全の確かめ方はマッチングアプリの選び方で解説しています。
最終確認日:2026年10月1日
参考にした資料
- 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」
- 警察庁「令和7年8月末におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」
- 警察庁 SOS47「SNS型ロマンス詐欺」
- 国民生活センター「ロマンス投資詐欺が増加しています!」(2022年3月3日)
- 国民生活センター「『愛してるから投資して』っておかしくない!?」(2022年12月21日)
- 国民生活センター「出会い系サイトやマッチングアプリ等をきっかけとする投資詐欺にご注意を」(2021年2月18日)
- 国民生活センター「好きになったら騙される!?デート商法を恋愛ゲームで体験!」(2019年3月7日)
- 国民生活センター 越境消費者センター「ロマンス詐欺」
- ペアーズ「安心・安全のガイドライン」
- ペアーズ「マッチングアプリ セーフティハンドブック」